一志短篇连载小说 - 第三部「鬼談」第四回「雛壇」

2023-6-16 sotomi 鬼谈

[鬼故事/IV] [女孩节人偶台]

 

幼い頃、友人のDの家に遊びに行った時の事。

这是一件小时候去朋友D家中玩时发生的故事。

 

俺達二人は、いつもならサッカーボール片手に近くの公園まで行って遊ぶのだが、その日は生憎の雨で、仕方なくDの部屋にある漫画を読んだり、とうに飽きてしまったファミコンをしたりしていた。

我们二个人一直都是习惯去附近的公园踢足球的,可那天却很讨厌的在下雨,无奈只能在D的房间里看漫画,实在看腻了再打电动什么的。

 

じっとしているのが苦手だった俺はDに、

「なあ、他の事して遊ぼうぜ。あっ! 鬼ごっこしようか?」

と提案した。

我实在是不喜欢一动不动的盯着电视机,就对D君说:

“我们玩其他的东西吧。啊!去捉迷藏吧?”

 

Dの家は今時珍しい大きな曰本家屋で、その部屋数もさる事ながら廊下は広くて長いし、どちらかと言えば家と云うよりお寺のように思えた。

D家的房子是很少见的大型和式住宅,不仅有很多房间,而且走廊也是又长又宽,无论怎么看,这房子与其说是家还不如说是寺庙。

 

「駄目だよ…。家の中でドタドタするとお母さんに怒られるもん…」

“不行哦。。。在家里跑来跑去的会被妈妈骂的。。。”

 

Dはテレビ画面の中のキャラクターを操りながらそう言った。俺は内心舌打ちをしてのだが、怒られると言われては無理強いする事も出来ない。

D一边打游戏一边回绝了我。虽然我心里很不情愿,但是都说了会被骂了,也不能硬要别人答应我。

 

 

「あ~あ。ひまだなあ…」

“啊~~啊~~~好无聊呀。。。”

 

俺がそう言いながら床にゴロンと転がったのと同時に、Dの部屋の襖が開いてお菓子とジュースをお盆に乗せたDのお母さんが現れた。俺は慌てて居住まいを正すと、

「あ、おじゃましてます」

と挨拶をしたのだがその時、開いた襖の向こうからDの妹の声が聴こえた。どうやら唄を唄っているらしい…。

我一边说一边在地板上滚来滚去,这时突然房间门被打开了,D的妈妈端着装着点心和果汁的盘子走了进来。我马上慌忙的坐正,说:“啊,今天打扰您了”。正在我打招呼的时候,从门缝中隐约透出了D的妹妹的声音。好像是正在唱着歌。。。

 

その時俺は妙な違和感を覚えたのだが、目の前に置かれたポテトチップスを頬張っている間にその違和感も飲み込んでしまった。

那时候我突然感觉到一种奇特的不协调感,感觉就连眼前的薯片中都充满这种不协调感。

 

その後しばらくして、Dがトイレに行くと言って立ち上がり、再び襖が開いた。

过了不久,D说他要去厕所,就开了门出去了。

 

やはり、Dの妹が唄っている声が聴こえる…。今度はさっきよりも鮮明に聴こえたので、その曲名も判った。「うれしいひな祭り」だ。

果然,又听到了D的妹妹唱歌的声音。。。比上次听得更清楚,那首歌是“愉快的女孩节”。

 

しかし、やはり違和感を感じる…。

只是那种不协调感又涌了上来。。。

 

今でこそ判る事なのだが、自分の教えられた「うれしいひな祭り」は暗いマイナーキーなのに対し、Dの妹は明るいメジャーキーで唄っていたのだ。

这时才反应过来,自己当初当初学的“愉快的女孩节”是阴暗的短调,但现在D的妹妹却用欢快的长调在唱这首歌。

 

 

違和感の正体に気付いた俺は、トイレから戻って来たDに、

「なあ、どうしてお前の妹はあんなふうに唄ってるんだ? あれって違うよな?」

と尋ねるとDは、

「ああ、俺もよくわかんないんだけど、家ではああやって唄わないといけないんだってさ。じゃないとお雛様が泣いちゃうんだって…」

俺はその時Dの言う事が理解出来なかったが、何となく背筋に冷たいものを感じたので、それ以上の詮索はしなかった。

总算弄清了不协调感的产生原因,我就问从厕所回来的D君:

“为什么你妹妹要用那种调子唱歌呢?这首歌不是这么唱的吧?”

D君回答我说:“啊,那个我也不是很清楚啊,但在我家就一定要用那种调子唱歌,不然人偶就会哭泣的。。。”

当时我也不明白D说的意思,只觉得背后突然冷飕飕的,也就没有在追问下去。

 

それから何日か経って再びDの家に遊びに行く機会があり、やはりあの時の事が何となく引っかかっていた俺はDに、

「あのさ、お前んちってお雛様飾ってるんだろ? 見せてくれないかな?」

と恐る恐る聞いたのだが意外にもDは、

「いいよ」

と二つ返事で聞き入れてくれ、俺はDに連れられて雛壇のある奥座敷に通された。

在那之后的一些日子,我又到D的家里去玩,由于还是对上次的事情耿耿于怀,就对D说:

“那个。。你家有女孩节人偶的装饰对吧,能让我看看吗?”却很以外得到了D肯定的答复。

于是我和D就去了放有人偶的里屋。

 

丁度陽の当たらない位置にあるその座敷には、雛壇の他にも様々な曰本人形や掛け軸が飾られていてどれも眼を引いたのだが、俺はある事に気付き、思わず「あっ」と声を漏らしてしまった。

这房间正好在太阳照不到的地方,除了女孩节人偶台之外,还有其他各种人偶和卷轴的装饰。

我注意到某件事情之后,不注意“啊”了一声。

 

雛壇の一番上に飾られている筈のお雛様が居ない…。Dは俺の反応に気付いた様子で、

「ああ、一昨日親戚の子が沢山来てさ、あの唄の事知らないから大声で唄ってたんだ。俺教えたんだけど面白がっちゃってさ…。そしたら次の日からお雛様が居なくなっちゃったんだ。お母さんが言うには怒って家出したんだろうって。」

普段と変わらぬ調子でそう告げたDは、一人ですたすたと部屋を出て行ってしまった。俺が慌ててその後を追ったのは言うまでもない…。

本应放在女孩节人偶台最上方的人偶不见了。。。D注意到我的反应,就解释说:“啊,前些天有个很多亲戚的孩子来我家,因为不知道我家唱歌的那个规矩而大声唱歌,我虽然告诉过他不可以这样,但那个孩子却自以为有趣而没有听我的。。。那之后的第二天,人偶就突然不见了。母亲说是因为她生气出走了吧。。。”D用很平常的口吻告诉我之后,就一个人晃晃悠悠的出去了,不用说,我就慌忙的追了出去。。。

 

その後、中学高校と進学するにつれDとは疎遠になってしまったが、未だにあの時の事が胸につかえている。Dの家では今も、あのお雛様の居ない雛壇を飾っているのだろうか…?

在那之后,由于考了不同的中学就和D渐渐疏远了,但那时候的事情却总是积在心中。D的家里,现在是不是还摆着那个没有人偶的女孩节人偶台呢。。。

标签: 一志小说

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